サイズ:B1(728 x 1,030 mm)
価格:1,000円(税別)
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タイトル:「HIROSHIMA APPEALS 2017 キノコ図」
デザイン:原 研哉
キノコ雲を下から見上げる図である。日本の、広島の人々の、まさに頭上で、人類史上最悪の奸智の結晶が炸裂した。その瞬間に眼を凝らそうと思った。ポスターには移ろう現実や心情を永遠に静止させる力がある。ポスター表現としての「HIROSHIMA APPEALS」は、静止画であるところに意義がある。まさに祈りを制作しているのだ。原爆で亡くなった方々のことを考えると、あらゆる表現は無力だが、頭上で核兵器が炸裂した街があるという事実に、意識の照準を合わせてみることが、祈りに通じるのではないかと思った。
「抑止力」と称されつつ、地球を幾重にも破壊できる量の核兵器が準備されている現実を考えると、絶望的な気持ちになる。人類は自分たちが考えているほどには賢くはない。「わたし」や「国」や「信条」といったものを優先するために、自分たちが生きる母胎すらも破壊しかねない人類は悲しいほど愚かだ。生の連繋を本能的に尊重しつつ生きているように見える他の生物たちよりも、はるかに先の短い存在なのかもしれない。
リアルなイラストは、30年来の付き合いになる水谷嘉孝との共同制作である。僕が原画を描き、それをそのまま、水谷の技術で精緻に仕上げていく。自分の頭の中にあるイメージを精密に可視化していくためにお願いしているコラボレーションである。原画はキノコの傘を丸ごと描いたが、最後にトリミングをした。もう一歩、爆発の中に踏み込んでみた。
公益社団法人日本グラフィクデザイナー協会(JAGDA)と財団法人広島国際文化財団が1983年、言葉を超えて「ヒロシマの心」を訴えるポスターを共同制作、内外に平和を呼びかけるキャンペーンの構想を発表。同年に第1回作品として、当時JAGDA会長だった故亀倉雄策氏の「燃え落ちる蝶」が発表され、その後8年間、毎年1点ずつ新しいポスターが制作されました。
ポスターは一般販売されたほか、「平和ポスター展」として全国各地で巡回展示されました。平和市長会議の参加都市に贈られ、85年にスイス・ジュネーブでの米ソ首脳会談前に開かれた原爆資料展、97年の欧州ヒロシマ展で紹介されるなど、海外でも反響を呼びました。
戦後60周年を迎えた2005年を機に制作を再開しています。
1983 亀倉雄策/1984 粟津 潔/1985 福田繁雄/1986 早川良雄/1987 永井一正/1988 田中一光/1989 勝井三雄/2005 仲條正義/2006 佐藤晃一/2007 松永 真/2008 青葉益輝/2009 浅葉克己/2010 長友啓典/2011 遠藤 享/2012 奥村靫正/2013 葛西 薫/2014 井上嗣也/2015 佐藤 卓/2016 上條喬久/2017 原 研哉/2018 服部一成/2019 澁谷克彦