サイズ:B1(728 x 1,030 mm)
価格:1,000円(税別)
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タイトル:「黄金の蝶」
デザイン:佐藤晃一
古代の人々はチョウを死者たちの復活再生したものと信じていたようです。あの硬いサナギの中から大きく美しい羽根をもった虫が出現し、宙を舞う姿は、今日の私たちにも神秘的なものです。
広島に投下された原子爆弾によって亡くなられた多くの人々、また世界中の争いによって傷つき死んでいった実に多くの人々のことを想い、今日の平和の危うさを感じながら、私の祈りとして、今回のヒロシマ・アピールズのポスターをデザインいたしました。
ポスターの上部にある青いグラデーションは浮世絵の風景版画から引用しましたが、画面のほとんどを金地とすることで、そこが天上界であり広島や世界の犠牲者が美しいチョウとして復活している構図としました。
このチョウの形は「光悦本」とか「嵯峨本」と呼ばれる桃山から江戸初期の出版物などで使われたパターンで、私の好きなものです。HIROSHIMA APPEALS 2006 の文字は復活した羽根に現れた魂のメッセージとして表現しました。またチョウが守ろうとしている玉は私たちの心の中の平和を願う想いであり、同時に我々の星、地球でもあります。全体としては金色の中に金色のチョウを埋め込むことで祈りの深さを視覚化できないか、と考えたものです。浮世絵と光悦本という日本の伝統的な版画を組み合わせて現代の日本のポスターとし、単純な構図ながらカトリックや密教の祭壇のような濃密な空間をイメージしました。多くの人々にそれぞれ自由に観ていただきたいと思っています。
社団法人日本グラフィクデザイナー協会(JAGDA)と財団法人広島国際文化財団が1983年、言葉を超えて「ヒロシマの心」を訴えるポスターを共同制作、内外に平和を呼びかけるキャンペーンの構想を発表。同年に第1回作品として、当時JAGDA会長だった故亀倉雄策氏の「燃え落ちる蝶」が発表され、その後8年間、毎年1点ずつ新しいポスターが制作されました。
ポスターは一般販売されたほか、「平和ポスター展」として全国各地で巡回展示されました。平和市長会議の参加都市に贈られ、85年にスイス・ジュネーブでの米ソ首脳会談前に開かれた原爆資料展、97年の欧州ヒロシマ展で紹介されるなど、海外でも反響を呼びました。
戦後60周年を迎えた2005年を機に制作を再開しています。
1983 亀倉雄策/1984 粟津 潔/1985 福田繁雄/1986 早川良雄/1987 永井一正/1988 田中一光/1989 勝井三雄/2005 仲條正義/2006 佐藤晃一/2007 松永 真/2008 青葉益輝/2009 浅葉克己/2010 長友啓典/2011 遠藤 享/2012 奥村靫正/2013 葛西 薫/2014 井上嗣也/2015 佐藤 卓/2016 上條喬久/2017 原 研哉/2018 服部一成/2019 澁谷克彦