日本のグラフィックデザインのクオリティの維持と活性化のために、次世代を担う人材の育成をJAGDAは大きなテーマの一つとして掲げています。具体的には、プロのデザイナーに向けた各種セミナーの開催や、デザインの現場から発想した独自の教科書作成など、数々のユニークな取り組みを行っています。いずれも現場で活躍する会員デザイナーが講師や執筆を担当。今までの学校教育では体験できなかった生きた方法論として、デザイン教育の現場に定着しつつあります。
JAGDAは次世代を担う若いデザイナーや学生たちを対象に、ディスカッションやワークショップ、作品講評や親睦会を通じて、講師と参加者が対話し、交流することを目的とした一日デザイン学校「JAGDA ONE DAY SCHOOL」を実施しています。
1984年の第1回開校以来、全国各地で開催され、参加者は1万名以上。現場を知るグラフィックデザイナーの、理論だけにとどまらない「生きた経験や考え方」を伝える授業が好評です。
講師も参加者の若い感覚やエネルギーを吸収して、世代を超えた交流の中から、デザイン界の未来を支える新しい力を生み出しています。
JAGDAでは、デザインの現場から「生きた方法論」を見つけ出し、教科書としてまとめあげるプロジェクトを実施。JAGDAの呼びかけに編集参加したデザイナーや専門家200余名の多様な仕事と言葉によって構成された、世界にも類を見ない、充実したデザインの教科書が誕生しました。掲載図版のクオリティの高さ、豊富さ、用語解説などの的確さが評価され、全国のデザイン学校で採用されています。また国際的にも高く評価され、1994年には韓国と台湾で各国語版、2003年には中国語版が出版されました(いずれも第1巻〜第3巻)。これからも時代を映した内容改訂を行いながら、デザインの道しるべとなることを目指します。
第1巻「平面・色彩・立体構成」/第2巻「タイポグラフィ・シンボルマーク」/
第3巻「イラストレーション」/第4巻「写真・広告・デザイン」/第5巻「コンピュータとデザイン」
デジタルの発展は、デザインの制作環境に大きな変化をもたらしました。JAGDAは1982年より、プロのデザイナーに向けて、デジタルメディアやテクノロジーと表現の新たな関係を探求するフォーラムを開催してきました。今後も、印刷やフォントなど、デジタル関係企業と連携を取りながら、日々の仕事に役立つセミナーを開催していきます。