公益社団法人 日本グラフィックデザイナー協会 JAGDA

選考経緯

1. 第1次選考（2012年12月）
・年鑑『Graphic Design in Japan 2013』掲載作品選考会において、全2,443作品の応募作品を対象に、27名の選考委員が候補作品を選出。
・年鑑の選考で高得票（選考委員数の違いにより、入選ボーダー票数が一般グラフィックの各カテゴリーと、インタラクティブデザインおよび映像作品カテゴリーとで異なるため、一般グラフィックを基準とし、コンピュータで補正したスコアを使用。補正スコア24.5票以上）を獲得した作品を候補とした。またスコアは基準に満たなかったものの、各カテゴリーでJAGDA賞受賞が決定した作品を候補に加えた。
・結果、全52作品の中から、過去の受賞者8名（浅葉克己、植原亮輔、佐藤 卓、澁谷克彦、永井一正、仲條正義、原 研哉、松永 真）の21作品を対象外とし、残る20名および1組による31作品を選出した。

2. 最終選考（2012年12月17日）
・ひとり（1組）あたり1作品を候補とするというルールに従い、複数作品が候補に上がっている出品者については、高得票を獲得した作品を最終ノミネートとした。また、複数会員による共同制作については、過去の受賞者が含まれるものは対象外とした。
・全21作品を対象に選考委員がひとり3票を持って投票を行った。そこで3票以上を獲得した5作品（奥村氏、葛西氏、新村氏/庭野氏組、田中義久氏、平野敬子氏の作品）が最終候補となり、決選投票で5票を獲得した、平野氏の作品が選ばれた。
・平野氏は2002年の東京国立近代美術館開館50周年リニューアル・オープンに際し、同館のシンボルマークのデザインを手がけ、その縁が今日に繋がって受賞作品を制作するに至った。選考会においては、「グラフィックデザインの本来的な社会性を再び気づかせた、品格のある誠実な仕事」と評されている。

＊最終選考委員会メンバー
・亀倉雄策賞運営委員＝永井一正（選考委員長）、浅葉克己、勝井三雄、佐藤晃一、佐藤 卓、
　　　　　　　　　　　仲條正義、原 研哉、松永 真
・ゲスト選考委員＝　　後藤繁雄、ひびのこづえ


候補作品（出品者名50音順）

・ポスター「キママ／え 原子力／え」（出品者：青木克憲　cl：黒田征太郎）
・ポスター「HEIWA OHASHI」（出品者：奥村靫正　org：日本グラフィックデザイナー協会／広島国際文化財団）
・ポスター「君待つ今日」（出品者：カイシトモヤ　cl：ドリフトウッド・レコーズ）
・パッケージ「TORAYA TOKYO」（出品者：葛西 薫　cl：虎屋）
・パッケージ「りんごジュース」（出品者：鎌田順也　cl：三木田りんご園）
・シンボル・ロゴ「ぽっちり」（出品者：川上恵莉子　cl：スーベニール）
・ブックデザイン「物物」（出品者：菊地敦己　cl：ブックピーク）
・ポスター「とらや 羊羹」（出品者：木下勝弘　cl：虎屋）
・映像「BOSS ゼロの頂点」（出品者：佐野研二郎　cl：サントリー）
・ポスター「無印良品キャンプ場」（出品者：新村則人／庭野広祐　cl：良品計画）
・ジェネラルグラフィック「寺島響水」（出品者：竹内佐織　cl：寺島よしえ）
・ブックデザイン「その森の子供」（出品者：田中義久　cl：ブラインドギャラリー）
・インタラクティブデザイン「Nerhol web site」（出品者：田中良治　cl：ネルホル）
・ブックデザイン「いきることば つくることば」（出品者：永井一史　cl：六耀社）
・ブックデザイン「BOOK JAM」（出品者：永井裕明　cl：エヌ・ジー）
・複合「TORAYA TOKYO」（出品者：中本陽子　cl：虎屋）
・パッケージ「水の香2012」（出品者：信藤洋二　cl：資生堂）
・ポスター「WANTED! Night Bird Watching.」（出品者：原野賢太郎　cl：ラブ厚東）
・複合「LUMINEのネット通販 アイルミネ」（出品者：平野篤史　cl：ルミネ）
・複合「東京国立近代美術館 60周年」（出品者：平野敬子　cl：東京国立近代美術館）
・ポスター「TDC展2012」（出品者：山下ともこ　cl：東京タイプディレクターズクラブ）


［記：亀倉雄策賞事務局］　　*敬称略