寺島デザイン制作室

寺島賢幸

Masayuki Terashima

この事務所に来て5年半になります。築60年ほどの古い建物で、最初はラムネ工場だったと聞いています。
その後増築を繰り返し、現在はテナントビルになっています。天井が高いのでカメラマンの方が使われることが多かったようですが、そんな写真スタジオのほか、建築家の方、コピーライターの方、そして私たちのようなグラフィックの方など、わりとクリエイティブ関連の事務所が多いですね。雰囲気が昔の学校のようですので、みなさん面白がって入居されている気がします。

私のいる部屋は以前、札幌で有名なインテリアデザインの会社が使っていて、それを知っていたスタッフがここに移りたいと言ってきました。
私は当初あまり乗り気にはなれませんでした。撮影などで何度か出入りしていましたので、ビル全体のおどろおどろしさばかりが強く印象に残っていたからです。でも、ある日、とりあえず部屋を覗いてみることに。そこは南向きで明るく、向かい合った両サイドの壁が天井まで一面本棚になった状態でした。この本棚がなかったら決めなかったでしょうね。不思議なもので、そのインテリアデザインの会社とは時々仕事をする関係になっています。

本棚はいいとして、問題は床でした。うねっていて全く水平ではありません。仕方がないので全面に板を引いてその下にケーブルを這わせることにしました。土足禁止としましたので、わりと清潔な状態になっています。
最初のころはゆとりのあったスペースも、その後スタッフが増えたことで余裕がなくなり、5人用円形テーブルをふたつ作って設置しました。収納のキャビネットも間仕切りを兼ねてオリジナルで作りましたが、もうほぼいっぱいになっています。保管がたいへんなのはポスターで、丸めずにB1が入るポスター棚を7つ置いています。
明るくて気持ちのいい空間ではありますが、冬が寒いんです。古いので窓の性能も悪くて。とにかく暖房のための灯油代が高いんです。ヤレヤレ。