第9回亀倉雄策賞 松永 真 MATSUNAGA Shin

受賞作:「ISSIMBOW “Katachi-koh”」のパッケージ(cl:医心方)

受賞のことば

1997年、亀倉先生が急逝されてあっという間に10年が経った。亀倉先生がグラフィックデザイン界を自慢する時、決まって、我々の世界が実力主義のフェアな世界であることを声を大にして叫んでいたのを懐かしく思い出す。しかし、その亀倉賞を今回まさか自分自身がいただけるとは予想もしていなかった。何故なら、第一回の受賞が田中一光。第二回が永井一正。なるほどこの賞は巨匠が貰うものだと思っていたら、第三回が原研哉で、第四回が佐藤可士和と、今度は若きスターに亀倉賞は輝いた。そしてその後も巨匠と若きスターの行き交う中、私にはいよいよ縁の無いものと思っていたところに突然先生のいたずらっぽい笑顔が現れた。
JAGDA創設者の亀倉先生は、グラフィックデザイン界を四世代に分類してそこへ名前を並べることを好んだ。しかし今や五世代も六世代もとても勢いがあって、JAGDA新人賞などは大変な競争であることも先生にお伝えしなければなるまいと思っていた矢先でもあった。
今回私が亀倉賞をいただいた仕事は、今春発売のISSIMBOWブランドの「形香」(かたちこう)シリーズというものである。グラフィックデザイン主導型のブランドで、あらゆるジャンルを総合的にプロデュースすることになった。この“ISSIMBOW”ブランドが“Wellness Design”であるからには、これを機会にもうひと頑張りせねばなるまいと心に決めたところである。とてもうれしい。

松永 真

松永 真

MATSUNAGA Shin

1940年東京生まれ。1964年東京芸術大学美術学部デザイン科卒。資生堂宣伝部を経て、1971年松永真デザイン事務所設立。主な仕事に、資生堂のサマー・キャンペーン、一連の平和ポスターから、ベネッセ、ISSEY MIYAKE、国立西洋美術館などのCI計画。スコッティ、カンチューハイ、国際コンペ優勝の仏たばこジタン、資生堂ウーノのパッケージデザインなどがある。ワルシャワ、ニューヨークなどの国内外の大規模な個展も多く、世界各国73ヶ所の美術館などに多くの作品が永久保存。毎日デザイン賞、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ金賞・名誉賞、芸術選奨文部大臣新人賞、日本宣伝賞・山名賞、紫綬褒章など受賞多数。AGI会員、東京ADC委員、JAGDA理事、東京芸術大学客員教授。
(2007年6月現在)

掲載書籍:『Graphic Design in Japan 2007』

連絡先:
松永真デザイン事務所
t. 03-5225-0777